日商簿記検定2級試験は毎年2月・6月・11月に行われます。日本商工会議所から過去の受検データが公表されているんですが、受検月によって数値にばらつきがあるため、受検月ごとのデータをとって何か見えないかなあということでまとめてみました。受験生の方々に少しでも役立てればありがたいです。また、データに誤り等ありましたらコメント欄までこっそり教えてください。
受験者数はピークアウト傾向か!?
《受験者数》
過去13年の日商簿記2級・6月試験のデータ(商工会議所HPより一部改変)
22年6月試験の実受験者数67,337人をピークに受験者数は減少傾向にあります。
グラフで見てみましょう。
こんな感じ。
2月および11月試験もそうなのですが、21年〜23年をピークに減少しています。
簿記検定のような実務系の資格試験は若年者の人口構成もありますが、景気停滞期は増加傾向にあり、景気拡張期は減少と景気動向と逆バイアスが働いているように見えますね。
今回の2015年6月試験ではどうなるでしょうか、4万人で下げ止まるかそれとも割り込んでしまうのか?要チェックです。
簿記検定の合格率はあまり気にしなくても大丈夫
《合格率》
年度によってばらつきが大きいのですが、2月試験と11月試験の過去13回の平均合格率を取ったところ、それぞれ32.0%、30.7%という数字でした。それに対して6月試験は28.7%とそれに比べ若干低いです。
「じゃあ6月試験は見送った方がいいな」と思った方、ちょっと待ってください。大学入試のように定員が決まってて上位者から合格するような試験では分かるのですが、簿記検定は100点中70点以上というボーダーを取れば合格できる試験なので、一概に合格率だけで判断するのは危険です。ではどうしてそのような偏りが発生するのか?次のような要因を仮定してみました。
○試験の難易度が高いという仮定
○受験生のレベルが低いという仮定
試験の難易度のばらつきは一旦置いておいて、まず受験生のレベルが他の受験月と比べて低いのではという仮定について考えてみます。
4月は新年度のスタート月なので、学生や新社会人などは新生活のスタートに追われ、試験の準備まで手が回っていない可能性があります。それを裏付けるように過去13回の実受験者数を比較すると11月試験の平均61,499人・2月試験の同55,083人に対し、6月試験は同48,308人と大きく下回っています。このことからも6月試験は準備不足になりがちな季節的要因を孕んでいるんじゃないかと考えられます。
準備できていない(=受かる見込みがない)のに受験してもお金と時間がもったいないですもんね。
上記の理由が28.7%という平均合格率の要因となっているのであれば、試験の難易度は他の試験月とそう大きく変わらないのかもしれません。そう考えると6月試験はチャンス?かもしれませんよ。
○合格率の低い試験の翌年度の試験は易化しやすい(!?)
過去13回の試験で極端に合格率が低い年度がありました。それはH16年度の5.7%とH25年度13.9%です。もう税理士試験並みです、、こんな年に当たったら受験された方はたまったものではありません。一方でその翌年のH17年度とH26年度の合格率を見るとそれぞれ40.8%と34.6%と非常に高率になっています。合格率の極端に低かった試験の翌年度はチャンスかもしれません。こうした極端な難易度の調整が入るのはおそらく作成者サイドもベンチマークとしている合格率があるのでしょう。
平均の合格率30%前後が過去のデータから推測される想定ポイントです。そう考えると2015年6月試験は・・・?どうなるでしょうか?
データ云々申し上げましたが、最終的には受験される方が70点以上取れるかどうかなので、効率よく点を拾えるような対策を取って頂いて(2級は特に)試験に望んで頂きたいなと思います。本記事をご覧いただいた方にはぜひ頑張って合格していただきたいと思います。ありがとうございました。